#21 壮絶な妊娠・出産 そこから撮影実現までの道のり

こんにちは。

看護師フォトグラファーの水野です!

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今回は、本当に大変な妊娠・出産を経て、撮影まで実現できたご依頼者様についてブログを通してお話ししたいと思っています。

タイトルにもある通り、妊娠や出産って当たり前のように世間の女性が経験していますが、改めて考えてやはり当たり前ではなく、命をかけて子供を産んでいるんだなと再確認することができました。

 

 

僕にも現在6歳になる息子がいます。

6年前には大変な出産に立ち会うこともでき、母子共に健康で現在も家族みんなで元気に過ごせていることに凄く幸せを感じています!

僕は男性なので妊娠、出産を代わってあげたり、経験することはできません。

 

だけどフォトグラファーとして、そんな大変な思いを経て産まれてきてくれたお子様とご家族のお写真を撮って素敵な思い出を作るお手伝いをすることはできます‼️

 

今回の撮影が決まったのは、何もない日常のとある日…元バイト先の後輩から急に連絡がきました。

少し話したいことがあるから電話できないかと。

急に連絡が来たことに驚き、何だろうと電話したところ、その時後輩の子はすでに病院で入院していました。

 

※今回の内容は後輩からも許可を得ており、内容に関しても後輩が経緯を送ってくれた内容を抜粋して記載しています。このブログを見て、大変な妊娠や出産を経験した方、これから経験する可能性がある方に対して少しでも勇気を持ってもらえたら嬉しいです。

今回の撮影実現までのストーリーをブログとしてまとめさせていただき、その内容の間には今回撮影させていただいた写真を入れています。

ブログの文章や写真を通して、この家族が大変な経験の先に本当に幸せな今を生きていることを感じて頂けると嬉しいです。

 

 

ある日、後輩から電話がきた

僕がいつも通り犬の散歩をしていると後輩から連絡があり、「相談したいことがあるので電話できませんか?」とのLINEが。

急な連絡で驚き、家のことが落ち着いてから電話をすると、後輩は病院で入院しているとのことでした。

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妊娠の経緯

後輩は、2021年11月に妊娠が発覚。

妊娠初期11月~1月までは悪阻が酷くてマタニティ生活を楽しむ余裕がなく、早く悪阻が落ち着いて、産まれてくるまでの時間を楽しみたいなぁと思っていたところ……
1月下旬、安定期目前にも関わらず仕事中に出血してしまいました。


子宮頸管が短くなっており、切迫流産でそのまま2週間の自宅療養になりました。

しかし、2週間経っても状態は良くならず、むしろ悪化傾向であり仕事復帰できず、2月下旬の19週目でとうとう入院することになってしまいました。

 

当時後輩は「店長」という役職であり、沢山のスタッフに迷惑をかけてしまったという思いと、無事に出産まで辿り着けるか凄く不安があったそうです。


でも職場のスタッフの方々は「任せて下さい!お店は何とかするので必ず元気な赤ちゃんを産んで下さい!」と言ってくださり、その時は涙が溢れたそうです。

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究極の選択

遂に入院になったその日、コロナ禍ということもあり家族の面会は一切禁止。

退院まで旦那様には会えないと言われたそうです。でもすぐに退院することも出来ない状況であり、想像しただけで心身共に辛くなってしまいました。

 

それだけではなく、何より大切な赤ちゃんはまだ妊娠19週なのに子宮口は全開、子宮頸管が2センチを切っていていつ産まれてもおかしくない状態でした。

しかし、赤ちゃんが200gしかなかったため現代の医療をもっても救ってあげることができない。

 

また、地元の唯一の小児医療センターは満床・・・。

さらに、コロナがピークの時であり他県への移動に制限があり、転院はできず、空きが出来ても「赤ちゃんが小さすぎて受け入れを断られてしまう可能性がある」と説明を受けてしまいました。

 

誰もそばにいてくれない状況下でこの説明を聞き、1人病室で大泣きしてしまいました。

もし、このまま産まれてしまい命を救えることが出来たとしても大きな障害が残る可能性は高い。


親としてこの子の為に妊娠を継続することが良いのか正直悩んでしまいました……。


赤ちゃんが欲しくて仕方なかったけど、赤ちゃんが生涯辛い想いをするのではないか。

まだ中絶可能期間でもあり、親として本気で悩んでしまいました。

 

すると旦那様から「お腹の赤ちゃんは頑張ってるんだよ。きっと大丈夫。だから産もう。」と言ってくれたそうです。

そのとき後輩の不安はすーっと消え、そこからは何としてでも「絶対にお腹の中で守りきる!!」って決心できました。

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妊娠、出産って当たり前ではなく、このような究極の選択もしなければなりません。

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親になるって本当に大変なことで、様々な選択、責任が問われます。

それでも覚悟を持って夫婦で出産を目指そうと同じ夢に向かって歩み始めたとても勇気のある夫婦なんです。f:id:HitoshiN:20230302122309j:image

 

辛い入院生活の始まり

しかし、そこからの入院生活は・・・そんな楽なものではありませんでした。

 

 

入院中は日に日に投薬量が増え、副作用で吐き気や動悸が酷く体重減少、薬で肝臓の値も悪くなりました。

 

 

食事とお手洗い以外はほぼ寝たきり。お風呂も月に4回だけという生活でした。

 


そんな辛い入院生活をしている中でも、友達や看護師さんたちに毎日励ましてもらい、何より仕事の合間をぬって着替えなどの荷物を届けに来てくれる旦那様と毎日連絡を取れる時間が幸せな時間でした。

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Instagramで僕を見つける

そんな時にInstagramを見ていたら、元バイト先の先輩だった僕が看護師をしながらフォトグラファーとして活動していることを知ってくれました。

僕が看護師として仕事をしていることは知っていましたが、フォトグラファーとして活動していることは知らなかったそうです。

 

その時は入院して、産まれる前に赤ちゃんとの時間を記録することが出来なかったため、産まれた後はたくさん思い出を残してあげたい!という思いがあったため、僕に連絡をしてみようと思い、電話をしてくれました。

 

電話では、今まで書いた入院までの話や入院中の話、不安な思いはありながらも今は前を向いて歩んでいる話を聞いて、僕の目は涙でいっぱいになりました。

 

僕は本職は看護師なので、ある程度の状況や大変さは理解できましたが、看護師の僕には話を聞いて応援することしかできませんでした。

 

でも今は看護師だけではなくフォトグラファーという仕事をしているため、「出産したら絶対素敵な写真を撮ろう‼️」と約束することが出来ました!

 

これは僕がフォトグラファーを目指さなかったら出来なかった約束です。

こうやって1人でも自分の目に映る人達を幸せに出来るような活動がしたいと思いフォトグラファーになったので、これ以上の喜びはありませんでした!

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それからは後輩は写真を撮ってもらうことが楽しみで仕方なかったそうです。写真を撮ってもらうという楽しみを力に変えてくれていました‼️
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入院期間「122日」からの出産

その後、後輩は36週0日と早産ではありましたが、2928gの元気いっぱいの赤ちゃんを無事に出産しました。

 

 

妊娠中に入院した日数は「122日」

後輩からは「人生で一番辛い時間で、出来るならもう経験したくはないですが、それ以上に主人や家族、友達、看護師、先生のありがたさを感じることができ、産まれてきた『泰雅』を尊いと感じることができました。もし、私と同じような想いをしている方に会ったら「絶対に大丈夫です。乗り越える人にしか壁は与えられないって本当です!」と伝えたいです。」と言ってくれました。

 

僕はこのブログを通して、同じように妊娠、出産で大変な思いを経てすでに今お母さんお父さんになった人。

 

これから結婚して出産を考えている未来のお母さんお父さんになる人。

 

全ての人に「妊娠、出産は当たり前ではなく、今いる目の前のお子様、これから産まれる赤ちゃんは奇跡的に出会えた存在なんだ」とお伝えしたいです。

 

そして何より、命がけで産んでくれた妻を尊敬し、誰よりも大切な存在として毎日を過ごしていかないといけないなと思いました。

 

毎日一緒にいるとどうしても家族のような関係になってしまうものですが、改めてふとした日に「ありがとう」と言えるような関係でありたいなと思います。

 

子供に伝えるべきこと

子供って産まれた瞬間のあの愛おしさ、一生忘れませんよね。

でも、当たり前の日常の中で子供に怒ってしまったり、イライラしてしまうこと・・・

ありますよね?!笑

 

でも必ず最後には「あなた(子供)の事が凄く大切なんだよ!いつでも味方だからね!」と伝えてあげたいなと僕は思っています✨

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大変な思いをした時に感じていた素直な気持ちも、多忙な毎日の中では忘れてしまうものです。

 

忘れてもいいんです。

 

またこうやって思い出せばいいんです!

 

その思い出す方法の1つが・・・僕は写真なんじゃないかなと思っています‼️

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だからこそ、写真には価値があり、今という瞬間を切り取れるカメラには大きな意味があると思っています✨

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僕はそんな思いを持ってフォトグラファーを始めて、こうして幸せを切り取るお手伝いが今回できました!

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産まれるまでは、本当に実現できるのかどうかもわからなかったけれど、本当にお会いした時には、凄く嬉しかったことを今でも覚えています。

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この写真がこれからも色褪せる事なくご家族の中の思い出の1枚になることを願って、これからもシャッターを切り続けていきたいと思います‼️

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これを読んでくれた人に何か伝わって頂ければ、僕は凄く嬉しいです。

 

「当たり前の生活は当たり前じゃない」

「あとから後悔するんじゃなく、今日が最後の日だと思って今という時間を過ごそう」

 

これが僕が今回の撮影のストーリーの中で学んだことです。

 

後輩は今回の写真を凄く気に入ってくれて、次はまた夏にリピート撮影依頼してくださっているので、それを今から凄く楽しみにしてます‼️

 

ではまた次回のブログで🖐🏻